おしらせ

子宮頸がんワクチンについて(2024.10.24更新)

★当院では電話でご予約を受けております。接種を希望される方はお電話でご予約をお願いします。

<子宮頸がんとHPVワクチンについて>

子宮頸がんワクチンは小学6年生から高校1年生相当の間に定期接種することができます。先進国は概ね70~80%の接種率です。

日本産科婦人科学会ホームページから「子宮頸がんとHPVワクチンとHPVに関する正しい理解のために」という資料がご覧になれます。

厚生労働省の資料の概要版はこちらです。 接種対象の方、保護者の方はぜひご覧ください。

<子宮頸がんワクチンの効果について>

日本では、子宮頸がんは女性の方が生涯でおおよそ100人に1人の方が罹患し、300~400人に1人の方が亡くなっている病気です。

子宮頸がんワクチンは市場に出てから約20年が経過しました。多くの国で定期接種となっており、先進国は概ね70~80%の接種率です。

ワクチンによる子宮頸がんの発症予防効果はすでに複数報告されており、70~80%程度の予防効果が認められています。

日本でも前がん状態の抑制効果は90~95%程度と報告されていますので、子宮頸がんワクチンを接種した女性の生涯での発症は1000~2000人に1人となり、亡くなる方は3000人から4000人に1人となると予想されます。

<子宮頸がんワクチンの副反応について>

身体症状症(身体表現性障害)という疾患があります。力が入らない、歩けないなどといった運動に関する症状や、皮膚の感覚がおかしい、見えない、聞こえないといった感覚の症状、てんかん発作のような症状、意識を失ったかのような症状が出現することがあります。

約10年前、子宮頸がんワクチンを接種した後に身体症状症を発症した方々がマスコミに取り上げられました。衝撃的な映像を目にされた方も多いと思います。しかし、身体症状症自体は子宮頸がんワクチンが接種されるようになってから出現した病気ではなく、以前から疾患として存在しておりました。WHOからも日本からの報告でも、身体症状症と子宮頸がんワクチンとの因果関係は明確に否定されています。

<子宮頸がんワクチンとがん健診について>

がん予防ワクチンは現在2種類あります。一つは子宮頸がんワクチンでもうひとつはB型肝炎ワクチンです。

子宮頸がんワクチン接種はがんそのものにならないようにする予防医療です。子宮頸がん検診はすでに前がん状態ないしそれ以上の状態になっているかどうか検査するものです。子宮頸がん検診で前がん状態が見つかった場合は、子宮頸部にとどまらない範囲に浸潤している可能性があり、陽性となった方の身体的、心理的負担はとても大きいものになります。子宮頸がん予防にはワクチンを接種してがん発症のリスクを下げ、その上でがん検診を受けることが最も有効です。

<子宮頸がんワクチン接種対象の方の親御様へ>

子宮頸がんワクチンは先進国を中心に接種が開始になってから20年ほど経過し、安全でがん発症予防効果が高いワクチンであることが証明されています。日本では10年ほど前、身体症状症との関連が騒がれ、接種がほとんど行われない時期が10年近く続きました。令和4年から正式な定期接種として再開がはじまり、接種機会を逃した方のキャッチアップ接種(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日が対象)も開始されましたが、現時点では接種率は10~15%程度にとどまっていると思われます。身体症状症と子宮頸がんワクチンとの因果関係は明確に否定されています。予防できる病気からお子様を守るために、ぜひ子宮頸がんワクチン接種を勧めていただきますようお願い致します。

<子宮頸がんワクチン接種対象の方へ>

子宮頸がんワクチンは世界中の女の子が接種しています。先進国では接種率は70~80%程度です。接種することで将来子宮頸がんになる確率を1/10(100人に1人⇒1000~2000人に1人)に下げることができます。副反応は他のワクチンと同様で、特別に心配する様な副反応はありません。中学2年生までならば2回で済みます。当院では予防接種の時間帯以外に16時から16時半ころにも接種できます。予防できる病気から自分を守るためにぜひ接種してください。